07年12 中原還逐鹿  中原還(ま)た鹿を遂(お)う

魏 徴(ぎちょう)580〜643唐代初期の政治家「群書治要」を
        著した。太宗に
仕え、良吏と称された。

  

政治の主導権を争うこと。

中原は中国、天下 「鹿」は覇者を指す。

政権を争奪することを「逐鹿(ちくろく)」といい、
政治界のことを「逐鹿界」というのはこれから起こった。

 

07年10 美茶は三煎して味わう  「人物を修める」 安岡正篤

第一煎 ぬるめの湯で甘みを味わう
第二煎 やや熱めの湯で苦味を味わう
第三煎 熱湯で渋みを味わう

「苦味の中に甘味がある。甘味のある苦味でなければ
 本当の苦味ではない。」

苦言を呈す 苦言の中に実は本当の甘さがなければならない。
      甘さがなければ真の苦言・苦味ではない。

甘いという味はどんな幼児でも好む。苦味は人間が単純、幼稚ではわからない。

苦言を喜ぶようになるのは相当人間が発達してからであり、これを嫌がるようではまだまだ人間としては駄目だということになる。そしてその人間を突き詰めてゆくと、今度は渋くならないといけない。

 

07年09 美しい立派な花を咲かそう、実を結ばそうと思えば、
まず枝葉末節を整理し、根本を良くすること

オルテガ-イ-ガセット
(1883-1955 スペインの哲学者・文明評論家) 

何事につけても、末梢のことや、形だけにとらわれないで、
根本を把握するよう努力すべきだ。
根本が確立すれば道は自然に生ずるものである。

非人間的文明を真に人間味溢れるものにするためには、
根本にかえって、久しく忘れられてきた人間自然の本性と美徳を回復するより道はない。

  

07年08 「現在は過去以外の何ものも含んでいない。
 そして、結果のなかに見出されるものは、
 既に原因の中に在ったのである。」

 ベルクソン(一八五九〜一九四一)
      
フランスの哲学者 ノーベル賞

 

暑い夏の参院選も民主党の大勝利のうちに終わりました。
政権交代に向けてこれからが新たな一歩。
国民の信頼の上に立った責任ある政治が肝要と思います。
   

07年06 雲心月性 (うんしんげっせい)
 
 
世俗の名誉や利益を求めず、雲や月のように
 清らかな高く澄んだ心。

 私心のないこと。 

07年05 人はその終わりの到らんことを恐るるなかれ。
むしろ未だかって始めを持たずして終わらんことを恐れよ。

  ニューマン枢機卿 (1801〜1890年、英神学者)

悪い終わりになることを恐れてはいけない。
それよりも、未だかって本当の意味の「始」
始らしい始を持たずに終わってしまうことを恐れよ。
われわれは幾歳になっても「これから始めるのだ」という気持ちを失ってはいけない。

「大いなる始の心を以って生きよ」という精神が大切である。

  

07年02 政治とは、情熱と判断力を駆使しながら
 
「堅い板に力をこめてじわっじわっと
 穴をくり貫いていく作業である。
 
もしこの世の中で不可能事を目指して粘り強く
 アタックしないようでは、
およそ可能なことの
 達成も覚束ない」

ウェーバー ドイツ社会学者 
「職業としての政治」脇圭平 訳
平成19年2月6日「天声人語」より

  

06年12 過去を顧みるなかれ、
現在を頼め、
さらに雄雄しく未来を迎えよ。

ロングフェロー (アメリカの詩人)

    

06年11 希望が逃げていっても、
勇気を逃がしてはいけない。
希望はしばしばわれわれをあざむくが、
勇気は力の息吹である。

ドイツ・美学者 ブーデルヴェグ

    

06年10月 愛は憎しみより美しく、
理解は怒りより高く、
平和は戦争より高貴だ。

ヘルマン・ヘッセ (1877〜1962)
ドイツ生まれのスイスの作家

06年9月 夕暮れの築地あたり
   「池波正太郎の銀座日記」昭和58年7月から「銀座百点」に連載

 夕暮れの銀座を抜けて、築地へ行く。
 このところ、すっかり築地が気に入ってしまった。むかし、
かの浅野内匠頭の屋敷があった[あかつき公園]のあたりから、
聖路加病院の周辺をぶらぶら歩いていると、
まるでフランスの町にでもいるようなおもいがする。

 自動車もほとんど走ってはいず、マンションやビルの
横道には、むかしの東京の下町が息づいている。

 とんかつ屋の[かつ平]へ行き、極上のロースを
揚げてもらう。

06年7月 朝顔に 釣瓶とられて もらい水

               加賀の千代女

繊細な感性が表現されていると有名。
しかし江戸の町方のリーダーたちは、この句に別の意味を読みとっていた。
朝顔に支えをせず釣瓶に巻きつかせてしまった「うかつさ」は、先読みが大切な商人にとっては失態。
つるをはずせば枯れるので、朝顔を優先し、自分の水は借りにいかなければならない。
水売りもいた江戸の町では、水は大切なもの、借りたら返す義務も生じる。
こうした自分のうかつさをたしなめる句として、寺子屋で教えたという。

   江戸しぐさ語りべの会・主宰  越川 禮子 

     

06年6月 江戸しぐさ 「傘かしげ」

百万都市「江戸」は、言葉も習慣も異なる人々が全国から
集まった異文化のるつぼだった。
当然おこる軋轢やトラブルを未然に防ぎ、人々が安心して
楽しく暮らせるように、
江戸町方のリーダーたちは
さまざまな手立てを工夫した。
 
そのひとつが「江戸しぐさ」
今に通じる「都市」の知恵。
 
「傘かしげ」 雨の日のしぐさ。
傘を人のいない方へ傾けてすれ違えば、滴で相手をぬらさずに
すむ。
 
   
江戸しぐさ語りべの会・主宰  越川 禮子 

     

06年5月 我に三宝有り 持して之れを保つ
一に曰く慈 二に曰く倹 三に曰く敢えて天下の先と為らず
                 「老子三宝の章」

人を思いやるからこそ勇気が生まれる。
倹約につとめるからこそ尽きることがない。
人の先に立たぬからこそ、人を指導することができる。
「老荘思想の読み方」 守屋 洋

       

06年4月 春雷や 暗き厨の 桜鯛     水原秋櫻子

暗い台所に桜鯛がおかれている

窓の外は春の嵐でときどき雷光がひかる

その青白い光が一瞬台所にさしこみ

桜鯛の紅と白いはんてんを浮かびあがらせる

つぎの瞬間にあたりは暗さにもどる

 

06年3月 重きを負いて遠きに至る     三国志

駿馬は一日に千里を行くが、人を一人しか乗せられない。

これに反して牛は、歩みこそのろいが、重い荷物を背負うて遠くまで行くことができる。

両者の才能に甲乙はない。

物事、迅速果敢に速戦即決すべきことと、長時間かけて、じっくり取り組まねばならぬことがある。

それぞれの事態に対処するためには、それぞれの長所を活かすべきである。 

 

06年2月 花は半開を看、酒は微醺に飲む。
此の中大いに佳趣あり。

                 菜根譚

花は半分開いたときに見るがよく、酒はほろ酔いかげんに飲むが楽しい。
満開、泥酔を求めないところに、本当の味わいが出てくるものだ。

  

06年1月 歳旦の 闇の人語も 瑞々し

              小鷹奇龍子

昨日の太陽と今朝の太陽に変わりはないのに、初日の出に伴い、
何がなし淑気の漂うのが感じられるのが日本の正月である。
日常生活から切り離された時間、瑞々しい年への人々の
期待などがかもし出す、
独特の雰囲気なのだろう。
(1995年1月2日「天声人語」)

  

05年12月 一樹百穫

大計を成し遂げるには、人材を育成しなければならない。

                    管子

一樹一穫ナル者ハ穀ナリ 一を植えて一だけの収穫があるのは穀物
一樹十穫ナル者ハ木ナリ 一を植えて十の収穫があるのは木材
一樹百穫ナル者ハ人ナリ 一を植えて百の収穫があるのは人材である

   

05年11月〜12月 「老婆心」

曹洞宗の開祖、道元禅師の二人の高弟「懐奘(えじょう)」「義价」の話。

禅師は「老婆心」が足りないと義价には印可を与えなかった。
才智、技能に優れているのは望ましいことだか、
それだけでは人間として失格であ
る。
人間として至るためには、人に真心をつくす。
世間からいうならば、うるさがれるほど思いやるということが
大切である。
老婆心は、人に対してだけではない。
学問の場合でも、まあこれぐらいにしておこうというのが
一番いけないので、
これでも足りない、もう少しこうしてみたらどうだろうという、
つまり老婆心がなけ
れば進歩しない。

           「東洋思想十講」 安岡 正篤

  

05年10月〜11月 白玉の歯にしみとほる秋の夜の
 酒はしづかに飲むべかりけり

                 若山牧水

 

05年9月〜10月 戦に勝ちし国は敗れし国に対して、
喪に服するの礼をもって処さねばならぬ

昭和37年10月、キューバ・ミサイル危機最中での
日本を代表する佐藤栄作がケネディ大統領との会談の時、
大統領が尊敬するシュバイツェルの言葉として述べた。
その言葉を受け、大統領は10分間の会談予定を延ばして
じっくり話を聞いたといわれている。

   

05年7月〜9月 忙中 閑有り
         閑は忙中にある。
       またそれでなければ本当の閑ではない。
       閑という字は、門を入ると木立があって、
       しずかでしーんとしている。という字。
       何もないのではない。心の落ち着いて
       しずかなさまが閑。

苦中 楽有り
       苦・楽は相対的なもの、苦の中に楽があり、
       楽の中に苦がある。
       苦しんで学ぶところに楽がある。
死中 活有り
        もうどうにもゆけなくなったところに
       本当に活きる道がある。
       しかしこれはなかなか難しい。
壺中 天有り 
       俗世間の中に生活しながら、
       その中にあって本当の自分だけの世
界、
       別世界を持つ、またそれを求めていく。
意中 人有り
       人間は何につけても意中に人を持っていることが
       大切。
 
      いつでも意中に人の準備がなければならない。
腹中 書有り
       腹の中に書がある。信念・哲学を持っている。

             

05年6月〜7月 歴史とは、ひとつの物語であり、
その物語は物語る人の価値観によって異なる。

  関 嘉彦  著 
 「戦後日本の国際政治論」より

歴史は過去の出来事であるにとどまらず、ひとつの物語であり、
その物語は物語る人がどのような価値観を現在さらに未来に対してもち、その立場から過去に話しかけるかにより異なる。

歴史は歴史家の数だけあるといわれるのも歴史家の価値観が異なるからであり、
歴史が常に書き改められるのも、時代により価値観が変わるからである。

  

05年5月〜6月 「良寛戒語」
  良寛 (1758〜1831 江戸後期の歌人)

・言葉の多き
・口のはやき
・さし出口
・能く心得ぬことを教うる
・全ての言葉は惜しみ惜しみ言うべし

   

05年4月〜5月 春夜詩  蘇軾 (1036〜1101)

春宵一刻 直千金  春の夜は一刻(15分間)が千斤の黄金にも
          あたる。

花有清香 月有陰  花には清い香りがあるし、月はおぼろで
          霞がある。

歌管桜台 声寂寂  楼台の歌も管絃も院落(庭)にたてば
          寂しく遠くから聞こえてくる。

鞦韆院落 夜沈沈  庭の鞦韆(ぶらんこ)は乗る乙女もなく
          垂れ下がる。春の夜は沈々とふけてゆく。

             

05年2月〜4月 開源節流  源ヲ開キ流レヲ節スル
明主ハ必ズ謹ンデソノ和ヲ養イ、
ソレ流レヲ節シ、ソノ源ヲ開キ、
而シテ時ニ斟酌ス。

名君は、先ず国民の和をはかる。
常に歳出を抑制し、歳入を拡大し、
両者のバランスをとることに留意する。

荀子

05年1月〜2月

しらじらと 障子を透す 冬の日や 室に人なく 蝋梅の花

窪田空穂

春にさきがけて咲きだした梅の一種でも、蝋梅のかれんな黄花はちょっと趣が違うようだ。芳香をはじらうようにうつむいて咲く姿がなんともいえない。

 

04年12月〜05年1月 

奢者富而不足。何如儉者貧而有餘。

 菜根譚(前集五十五) 

奢る者は富みて、而も足らず。何ぞ倹なる者の貧にして而も余りあるに如かん。

豪奢な人は、いくら富裕であっても(贅沢をするので)いつも不足がちである。 ところが、倹約を守る人はいくら貧乏であっても(つつましいので)いつも余裕がある。つつましい方が、どれほどよいかわからない。

今井宇三郎訳註

 

04年11月〜12月

わが庵は 松原つづき 海近く
       富士の高嶺を 軒端にぞ見る
  

太田 道灌

上洛したとき、将軍足利義政から江戸城の様子をきかれ、歌で答えた。草深き坂東にもこのような優れた文人がいたのかと感心されたという。
憲政記念館のある高台は、太田道灌が詠んだ松原の一角に連なっていた景勝の地で、江戸時代の初めには加藤清正が屋敷を建て、その後彦根藩の上屋敷となり、幕末には大老井伊直弼もここに住んでいた。

  

04年10月〜11月 情熱がなければ、
人は単なる
潜在力と可能性にすぎない。

アミエル(スイスの哲学者)

 

04年8月〜10月 ランプ
油に酔って光り輝いているランプが、自分は太陽よりももっと明るいと自慢していた。と、風が一息ふっと吹いたので、すぐに消えた。で再び人が火をつけて彼に「ランプよ、照らして黙っていろ、星の火は消えることなんかないんだぞ」と言った。

人は人生の名声や高名を鼻にかけてはならない。人が獲得したものは何でも自分のものではないからだ。

「イソップ寓話集」 山本光雄訳

   

04年7月〜8月 飛ぶ蛍  打ち落されて川の面  光ながらも流れてぞいく

山縣有朋 (明治時代の元老1838-1922)

流れに逆らう力はもうなく、せめて光だけでも失うまいとすることでしょうか。政界に絶大の権力を振るった山縣公が85歳の生涯を閉じる前年に詠まれました。今回の参議院選挙の結果をみて、この歌を思い出しました。

  

 

04年6月〜7月 仁にすぎれば弱くなる
義にすぎれば固くなる
礼にすぎればへつらいとなる
智にすぎればうそをつく
信にすぎれば損をする

伊達政宗遺訓

   

   

04年5月〜6月

子どもはおとなの父なり
The child is father of the man

ワーズワース (1770〜1850 英国詩人)

ワーズワースにとっては自然が神であった。
人間はこの世で生を与えられたばかりの幼児のときもっとも自然に、神に近い。
ところが成長するにつれて世の荒波にもまれ、自然から離れていってしまう。
幼児こそ人間の本源の姿である。

  

  

04年4月〜5月 静かに行く者は健やかに行く。
健やかに行く者は遠くまで行く。

ワルラス 仏・経済学者が好んだ言葉

  

  

04年2月〜3月 僕達は君に規則を教えます。
代わりに君は、君の夢、君の無心を教えてくれます。
僕達は君に重々しさを押しつけ、
君は僕達に明るさを教えます。

ジャン・ギトン 仏思想家「幼い子供への手紙」

 

04年1月〜2月 最上の幸福は、
一年の終わりに
年頭における自己よりも
よりよくなったと感ずることである。

トルストイ

 

03年12月〜04年1月

桃李は艶なりと雖も、何ぞ松蒼柏翠の賢貞なるに如かん

 菜根譚

桃や李(すもも)の花はあでやかで、如何にも季節の華やかさがあるが、松や柏(かしわ)の緑の四季を通じて変わることのない清楚な節操の美には及ばない。はなやかで短命なものは、あっさりして長寿なものには及ばないものである。

  

03年11月〜12月

大事は軽く、小事は重く。

葉隠

派手なこと、目につくことには誰でも関心を払う。
目立たないこと、小さなことにはあまり目がいかない。基本を作るためには、非常に小さなことを積み重ねていかなくてはならない。「大事は軽く」は、重大な問題をいい加減に扱っていいということではない。小事をおろそかにしないという心構えを持っていれば、大事にあってもいろいろ材料がそろっているためスパッと決断できる。

  

03年10月〜11月

タフでなければ生きていけない。
優しくなければ生きている資格はない

レイモンド・チャンドラー『プレイバック』の主人公
フィリップ・マロー (ロスの私立探偵)の言葉

  

03年9月〜10月

人間の顔は心の看板であり、生活の記録である。

A・カレル (1873〜1944 仏、生理学者)

人間の人相も、体格好も声も常に変化している。折角良い人相をした人も、その後努力しなかったら、その良い人相も褪せていく。

  

03年8月〜9月

花びらのような幸福は、花びらより早く散り、
枯枝の悲しみだけが永く永く残る

『指揮官たちの特攻』城山三郎著より

二十歳前後までの人生の幸福とは、花びらのように可愛く、また、はかない。その一方、かけがえのない人生を失った悲しみは強く、また永い。それが戦争というものではないだろうか。

  

03年5月〜7月

「功の成るは、成るの日に成るに非ず、
 蓋し必ず由って起こる所あり」

蘇老泉

成功は、突然もたらされたわけではない。必ずこれに先だって、その成功をきたすべき原由がある。不成功の場合も同様である。

 

03年3月〜4月

「一隅を照らす」 一燈照隅、万燈遍照。

最澄

自分の存在がいかに小さくささやかであっても、一燈となって光の届かない一隅を照らしていく。やがてそれが百、千、万となれば社会全体が明るくなる。

 

03年1月〜2月

「上善如水」 上善水の如し  

老子

水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低いところへと流れていく。低いところに身をおき、淵のように深い心を持っている。国を治めては破綻を生ぜず、物事には適切に対処し、タイミングよく行動に移る。これこそ水のあり方にほか ならない。

   

02年11月〜12月

「朝の来ない夜はない」 

吉川英治

人生は運不運、幸不幸が一本の縄のようによじりあっている。 いい時もあれば悪いときもある。しかし、人は逆境にある時、不遇に泣く時、 必ず朝の来ることを信じて、自分のペースで努力を怠っては成らない。